ワンダーランド

完全週休3日がいいです。

アイドルは次元の違う存在のままでいい。

 
私にとってアイドルとは、次元の違う存在だ。生身の人間として交わることはないし、ステージで歌い踊るアイドルを直接見てもそこには見えない大きな大きな壁がある。それを寂しいだとか、悲しいと思うことはないしそれが当たり前だった。

その認識は今も変わらないのだが、K-POP、韓国アイドルの文化に出会ってよりその認識が強まった。


そもそもに私が韓国アイドルを好きになったのは、その世界観の作りこみの高さだった。活動ごとにビジュアルイメージから何から何まで変えてきて、コンセプトアートのような世界をいつでも生み出す完成度の高さが好きだった。私にとってはとてつもなく『シャレオツ』な存在だった。

 

 

韓国のアイドルはとにかくファンとのふれあいの機会が多い。コンサートやCD発売イベントの一環としてのサイン会などのオフィシャルなものから、テレビ番組、ラジオ番組、出演舞台、の入り待ち出待ちなどの半オフィシャルなもの*1、ご家族が経営されている飲食店などに本人が訪れ話せるなどのプライベートなもの、大まかに言ってもこれだけの『会える』機会がある。
その他にもサポートと称して、ドラマの撮影現場に飲食物を差し入れしたり花環を送ったり、新聞広告一面や、地下鉄のホーム、バスに誕生日のお祝いの広告を入れたりとファンが出来ることが圧倒的に日本よりも自由で多い。チケットを買うだけじゃない、CDを買うだけじゃない。


正直に言うと、自分の目当てのアイドルがCDを出して音楽番組等に出てる活動期間の間に韓国に行って、収録するテレビ局に行けば見れるしカメラを向けても大丈夫。韓国を旅行した時にラジオの公開収録に行ったことがある。同じくK-POP好きの子と行ったので行ってみることにした。普通に見れる。そこにいた。大砲のようなカメラを持ったお姉さんたちがたくさんいた。私のカメラでも写真を撮ってくれた。コンデジだったのできれいな写真は撮れなかったけど私のカメラに生身の彼らが写っていた。それは別に禁止されていることではない。

空港に来る時間を調べて空港で待ってたら見れる。そしてアイドル達もその距離感に慣れているから、プレゼントを渡したり手紙を渡したりすることも出来る。*2身につけるものをあげたら、それをちゃんと着用してくれる。

私が最初に韓国アイドルに出会ったときは、このファンとの距離感がカルチャーショックだったし同時に感動もした。何もかもが新鮮だった。


韓国に行って、サイン会にも行ってご家族のお店に行って本人に会って、プレゼント渡して、手紙渡してってそれを数重ねていけば向こうだって認知してくれる。実際に認知されている人もたくさんいる。韓国人のファンだけでなく日本人のファンでもたくさんいる。
認知されるとコンサートでのファンサが露骨になってくる。『あぁ、自分にしてくれた』っていうのが確実に分かるようになる(らしい)。
何度も通うと、「また来てくれたの?」や「久しぶりだね」と声をかけてくれる。そんなの嬉しいに決まってる。

どれだけのお金や、どれだけの時間を費やすのかは分からないがアイドルとの『身近さ』を感じるチャンスが目に見えて多い。いつかは私も!の夢が見れる。
単純にすごいと思った。ミーハーな私はその情報量にいつも驚いていた。自分は金銭的にも余裕はなかったしそこまですることには一線を引いていたかったので、認知してもらう段階には進まなかったけれどファンを露骨に特別扱いしてくれるその姿勢に単純な感動があった。ありがたいね、本当に。と思っていた。


私が思うK-POPの『身近さ』はこういうことだ。

親近感ではなく、本当に身近になれる。


今のジャニーズでもジュニアならそういった文化が少しはあるのかもしれない。(如何せん、私はジュニア文化には疎いのでもし間違っていたら教えてください。)


でもジャニーズのデビュー組でそんなことが起こるだろうか?

まず、オフィシャルの場で認知されることはそうそうにないだろう。コンサートで毎回最前列に入る?番協にもかかさず行く?イベントがあれば全てに参加する?多分どれも不可能に近いだろう。毎回最前列も番協もイベントも当選することはまぁ、ない。たぶん。というかそのツアー自体当たらないことだってある。(運次第だから運のいい人はあるかもしれないけれどたぶんほぼ不可能)

そしてたとえステージ上の彼らがこちらを認知していたとしても、それをこちらに知らせるだろうか?分かるようにアピールするだろうか?*3


どちらの方がいいかという比較をする気持ちはないが、K-POPに対しジャニーズにはない『身近さ』を感じていたのは事実だ。


でもその『身近さ』がだんだん息苦しくなった。
K-POPにハマって自然とファンとのつながりが増えるにつれて『認知されている』知り合いもできた。彼女から聞く話は、新鮮だったしアイドルの私生活が垣間見えて何とも言えない高揚感があった。ステージの上、画面の向こうでしか知らない人たちの生活感のチラリズムはすごく魅力的だったし知っていることに一種の優越感もあった。正直に言おう。

でも、だんだんと知っていけば知っていくほど情報を供給されればされるほど自分の中のキャパシティが浸食されていって「知りたくなかったこと」「見たくなかったもの」まで入ってくるようになった。
ファンとの距離が近いアイドルが多いからこそ、ファンに降ってくるべきではない情報も降ってくる。近すぎるから見えてしまう。見せちゃダメなのに。こっちはそんなものは欲していないのに。そんな部分は必要ないのに。結局は虚像であるアイドルを好きなだけだからその情報を処理することが苦しくなった。

元々、私は茶の間気質なのだろう。テレビの前で良い。たまにコンサートに行ってその空間にいることを楽しむだけで良い。それが私の求めるアイドルとファンの距離感だった。ファン同士で共有するのも、その空間の楽しさとテレビから送り出された楽しさだけでいい。生活感のチラリズムも彼らが出しても良いと思ったこと、アイドル自身が発信したもの、オフィシャルなもの以外は必要なかった。

そう思ったので、私にはあまりにも情報過多だったK-POPとは距離を置いた。
CDを聞くだけで良い。テレビでは見れないからたまにYoutubeでPVや音楽番組を見るだけでいい。(コンサートはまた別の理由があるのだけれど、もう行かないことにした。)

そういう距離感で好きでいるようになったら、心の底から楽しめて好きでいられるようになった。


私はアイドルに過度な『身近さ』は必要ないと思っているのでこういう結果になった。
好きな人だからもっと知りたい、という気持ちも否定はしないし日本のアイドルにはない韓国アイドルの『身近さ』が魅力的に感じる人もいると思う。
だから結局は自分次第で、好きなように好きな方を思うままに応援したらいいのだと思う。(薄い)

 

だから私はKーPOPアイドルとは一定の距離を置いて応援することにした。


パフォーマンスや、エンターテイメントとしての能力はどちらも甲乙つけ難いし、系統は違えど私はどちらも素晴らしいと思っている。
韓国のアイドルだからと毛嫌いする人もいるし、ジャニーズなんてwwwwwという人がいることも知っている。
ただ芸事を生業として生き残っていくには生半可な努力では不可能なはずだろうし、私はそういう人たちの努力を称えて応援していきたいと思っているだけだ。


ただ、どちらの魅力も知っている人間からすれば、落ちて好きにならなくてもいいから食わず嫌いはしないでほしいなぁと思うだけです。 

 

 

*1:と、私が認識しているだけです

*2:これは事務所や人気度にもよる

*3:非オフィシャルの場のことは言及できないというかそもそもに興味もないので今、どういう状況のなのかは知らない。ヤラカシが酷かった時期はなんとなく知っているけどそれも今ここでは言及はしない