※結末にも触れるネタバレを含みます。未見の方は何の前情報もいれずに見ることをオススメしますので、ご注意ください。
昼顔を見てきた。
年末年始、サンシャインになっていた斎藤工とは思えないぜ、北野先生。
いや、まぁ昨日何の予定も入れてなくて暇だったんですよ。で、番宣してたしなんだかんだドラマ放送中は一生懸命見てたし映画も見にいこかなって。ついでに銀魂のムビチケでも買おうと思ったらまぁ、案の定完売でダッチベイビー食べた。(何の情報)
彼氏が先輩の結婚式行ってるってのに私は昼顔。不倫劇見てるっていう。この落差。
以下、ネタバレ含みます。
とりあえず、女って強いのな!
ドラマ版で完全な別れをしたと思われた紗和と北野先生が再会するところから話は始まるわけで。
あの不倫の後、家族も友達も家もなにもかも失った紗和は海辺の街で新しく生活を始めた。カフェで仕事も始めたけどやっぱりどこか空っぽ。そんな時、紗和の住んでいる街にホタルの講演会で北野先生が来ると知る。
ダメだと分かっていながら、一目会いたくて行ってしまうんですね。そんでもってアレヨアレヨと言う間にまた毎週逢瀬を重ねていく紗和と北野先生。
示談書で話しちゃいけないって文言があったから「これはひとり言」なんて言っていっしょにホタル探すわけですよ。
自分たちの中で結論を出す前に(不倫だからそんなもんだろうけど)何の整理もない別れをして、会ってないし見てもいないから気持ちにフタができていただけで、まぁそりゃ一目見てしまえば一言声を聞いてしまえば気持ちは溢れ出てくるし理性で抑えきれないまま、また2人の世界に入っていくのが見てて羨ましくもあり滑稽で。
北野先生と紗和って、肉欲だけじゃなくて心から惹かれあってて理由なんて分からないけどどうしようもなく好きでそういう相手といっしょにいられるのは本当に幸せだろうし、冒頭では生気のない表情の紗和が北野先生と再会してからどんどん生き生きしていくから羨ましさも感じるけど、やっぱりこれは不倫で。背徳行為で。そう思うと滑稽にも思えてきて。
北野先生の嫁(乃里子)は恐ろしく勘の鋭い女性だから、本当は紗和のいる街に「ホタル」のためと言って毎週足繁く通う旦那に違和感を覚えて尾行してみたら「ホタル」のためにいるはずの旦那が「紗和」といっしょにいる。で、予告にもあるクラクション全力で鳴らして来るやつ。
もうホラー。めっちゃこわい。来るぞって分かっててもめっちゃこわい。
紗和と北野先生も、もうこんなのやめようと理性を働かせて自分たちで幕を引いてこれで最後だと思ってバスを降りたのに現れる乃里子。どっちに感情移入してるとかじゃなく、修羅場すぎてこわい。
とりあえず乃里子がとったホテルに紗和と北野先生も連れていかれる。当たり前だけど乃里子はブチ切れ。紗和も紗和で「私たちホタル見てただけなんです…。」とかいうから余計キレるキレる。最終的には完全に血迷って「ここで結ばれなさいよ。そうしたら、私も諦めがつくから」とか言い出して。もうクラクション鳴らされてからここまでずっとこわい。
この日の朝に、紗和のいる街に出かける北野先生に乃里子は
「今日は早く帰ってね。私まだ子供諦めたわけじゃないから」
なんて言ってたのに紗和と北野先生に向かって「所詮、オスとメスだから簡単だろうが!!」ってもうやばい。
いや、まあ乃里子の怒りはもっともなわけで全然間違ってないんですよ。
乃里子自身も3年前の不倫はまったく消化できていないし何も乗り越えられてないけど、それでも旦那のことを手放したくないから見ないふりをしてこのまま暮らしていこうとしてたのにまた紗和が現れてぶち壊されたらそりゃそうで。
紗和や北野先生が会ってないから見ていないから気持ちにフタをできていたように乃里子も見ていないからどうにか抑え込んでただけ。
乃里子の北野先生に対する気持ちは、はたから見れば愛情と執着の区別がつかない歪なものになってしまっているけど本人にとっては愛情でしかない。だから余計にこわい。
まぁ、その追及に耐えきれなくなってホテルを飛び出した紗和を追いかける北野先生。残された乃里子。もうつらい。誰も救われない。
で、北野先生は乃里子とは離婚して紗和と生きていくためにちゃんとするって言い出して、程なくして紗和といっしょに暮らし始める。
益々、紗和は生き生きし始めててさー。かわいいんだよ、上戸彩。そんで朝のお見送りの上戸彩の色気ね。私が北野先生だったらそんな格好で外出て欲しくない。
でも、見ててやっぱり痛々しい。紗和はこの状況に完全に酔ってるし、口では分かったように言うけど、自分が不倫でどれだけの人を不幸にしたのか完全に頭の中から抜け落ちてる。恋は盲目ってやつなんだろうな。
カフェのオーナー(平山浩行)とも打ち解けたりして充実した日々を過ごす。
まぁ、実はこのオーナーも昔、奥さんに不倫されて離婚してこの街に来ているので紗和の浮かれた不倫話聞いてお説教したりもして。
まぁ、そんな2人にとっては平和なはずの日常だったのに北野先生が紗和に隠して乃里子と会ってることとか、紗和とオーナーが海で過ごしているのを隠したりとかってことからお互いを疑い始めて、まぁケンカして。そのケンカの中で紗和が
「人を裏切ったことがあると信じられないのよ」
って。ここであぁ、やっぱり自分たちは不倫なんだなぁって分かるわけですよ。つらい。
その後なんだかんだ仲直りもして、紗和も乃里子と対峙して話し合ってちゃんと謝って乃里子も旦那をよろしくねって言えて。
ただ、乃里子が離婚しても北野先生のことを「裕一郎って呼んでいい?」って言うのに対して紗和は「イヤです。」ってはっきり答えてしまう。
その時、乃里子は最終的には笑って負けたわなんて言うけど紗和から拒否された時の目がこわい。乃里子こわい!伊藤歩の演技がすごかった。
っていうか、紗和も紗和でそこでよくイヤですって言い切れるなぁと。勝者の余裕だったのかね。
で、まぁ程なくして乃里子が離婚届にサインしたからそれを北野先生が取りに行って駅まで車で送ってもらうことに。紗和の街ではちょうど夏祭りの日で街も賑わってる。
紗和は北野先生を待ちながら、仕事先の人たちと夏祭りを楽しんでて。
で、車の中で乃里子はこれが最後だと思うとなんとか理性で押さえつけていた「なんで?どうして?」が溢れ出してしまって止まらなくなってしまい車を暴走させていく。
乃里子のなんで?どうして?に北野先生も「分からない」としか答えられなくて、理由は分からないけどどうしようもなく紗和のことが好きだと言われた瞬間に、暴走した車はガードレールに突っ込んで助手席に座っていた北野先生は即死だった。「乃里子、ごめん」といいながら。乃里子は生き残った。嫁の生命力よ。
紗和にも連絡がいき、遺体安置所へ向かう。
まだ籍を抜いていなかったので遺体は嫁の元へ。いっしょに暮らしていたのは紗和でも妻は乃里子だった。
北野先生が指輪を買ってくれていたことを知った紗和は、居ても立っても居られなくなり乃里子の退院日に病院へ行く。乃里子に指輪のありかを聞くが知らないと言われる。
「恨んでいいわよ、私もあなたを一生恨むから。」と言われ乃里子とは別れる。
不倫ってこういうものなんですよ。
どこまで行ってもキレイにはならない。当人たちは恋だ愛だと盛り上がっても奪われる側の人間が存在する。誰かは肯定してくれるかもしれない。幸せになるつもりはないなんて言うかもしれない。でも不倫って当人たちだけで責任をとれるような軽いものじゃない。たとえこれから先、紗和が乃里子より先に亡くなっても終わらない。乃里子の中では一生終わらない。映画では出てこなかったけど、紗和の元旦那の中でも終わらない。
でも、それでもいっしょにいたいという本能的な情念がもうなんとも言えなかった。めっちゃ重い。
最後で分かるけど、紗和のお腹には北野先生との子どもが出来ていました。
神様、あなたはまた私を強くしました。という呟きがずっしり響いてきたなぁ。
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